最近、精密検査で過敏性腸症候群(IBS)と診断される患者が増えている。IBSはストレスで便秘や下痢の症状が現れやすいのが特徴で、腹痛のほかに健康満足度の低下や、うつ症状が出ることもある。診断基準は「1カ月に3日以上続く腹痛や腹部不快感が3カ月以上継続している」ことと「腹痛や腹部不快感が(1)排便によって改善される(2)排便頻度の変化で始まる(3)便形状の変化で始まる-の3項目中2項目以上当てはまる」こと。ストレスで腸の動きが通常より激しくなることが原因とされている。
IBS治療で大切なのは生活習慣の改善。抗コリン薬などを用いて消化管機能を調整することもできる。薬物治療の研究は進んでおり、腸の粘膜の水分分泌を高め、便の排せつをスムーズにする治療や、下痢を緩和する治療もある。
欧米では「低FODMAP食」という食事療法が主流。FODMAPとは発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオールを指す。これらは小腸で消化しきれず、腸内細菌の働きにより小腸、大腸で発酵してガスを生成するため、腹痛や腹部不快感の原因となる。FODMAPを多く含む食品を避けてガスの生成を抑えることで、IBS症状が半分程度に緩和されることもある。
腸に対する治療を行ってもIBSが改善しない場合は、心療内科などで治療を行う場合もある。抗うつ薬や抗不安薬、メラトニンなど、抗ストレス作用を持った薬物を投与し、脳機能の調整を行う。
薬物療法以外にもストレスに対処する方法はある。まずストレスの原因を明らかにすること。離婚や家族との死別など大きな出来事のほか、家庭や職場での人間関係など日常的な問題に目を向けることも必要だ。心療内科の患者にはストレスに自覚がない人が多い。
IBS患者は全人口の15・4%。年齢層でいえば10~20代の若い世代と老人層に多い。この点は欧米でも日本でも同じ。男女比は、欧米では圧倒的に女性が多いが、アジアでは男女比はほぼ同数だ。
センナ系の下剤は強力なので、一過性の便秘には効果的だが、飲用を継続すると大腸黒皮症といって腸が色素沈着を起こすことがある。飲むなら便の形をしっかりと作ってくれる作用のある食物繊維系のものがよい。
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