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ヨガインストラクター歴20年。自宅を開放してヨガ教室を始めました。アロマを焚いてリラックスした雰囲気で行うヨガレッスンが好評です。地域の公民館やコミュニティハウスでも行っています。

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小論文「機能性食品を活用した健康維持」(1989年、植田美優)

健康志向時代といわれる中で、「機能性食品」が脚光を集めています。体調を整える成分を取り出して、それを多く含む食品を作り、日常的に食べて、健康を維持しようという狙いで、現在、厚生省が実用化のための基準づくりを進めており、食品メーカーも競って“候補作品”づくりに乗り出しているためです。上手に利用すれば、高血圧、糖尿病、ガンなど成人病の予防につながるといいます。「不老長寿」という人類が誕生して以来の“永遠の夢”にもつながりそうです。

「機能性食品」という言葉が使われだしたのは、1980年代からです。

それまでの食品研究は、肉体を作る素材やエネルギーの供給源としての栄養機能(1次機能)と、味や香り、色など「おいしさ」を求める感覚機能(2次機能)が中心だった。だが、研究が進むにつれ、食品には、体調を調節する3番目の機能(3次機能)があることがわかってきました。

例えば、血や肉となる大切な栄養素のたんぱく質は、人の小腸の中で、いくつかのアミノ酸が集まったペプチドに分解されます。このペプチドには、カルシウムの吸収を促進したり人間の眠りを誘うなどいろいろな働きがあります。

それに、腸の中にいるたくさんの細菌のうち、ビフィズス菌などの“善玉菌”は、体調を整え、有害物質を排出する働きがあります。

http://lp-jp.com/


●正式デビュー迫る

これらの物質を「機能性因子」と言い、現在わかっているのが約200種類。シイタケ、シジミなど昔から体にいいと言われていた食品から見つかったものがほとんどです。

それで厚生省は、1988年8月には専門家による「機能性食品懇談会」をつくり、機能性食品の製造、販売のための具体的な表示制度や評価方法などの検討を始めました。

厚生省は、昔からの言い伝えや経験などから効果がはっきりしているもの、学会などで認知されたものから表示基準を設けて、認可して行く予定です。早ければ年内にも第1号が出そうです。

機能性食品を製造許可制にするのは(1)有効成分と機能を表示して、正しい知識を消費者に与える(2)必要量を明示し、取りすぎによる危険を避ける(3)食べやすい食品の形にして、安く利用できるようにする--などのためです。


●食べ過ぎの害、心配

民間では、食品業界が1962年9月に「健康食品懇話会」(現在39社)を設立しました。すでに“候補作品”を製造販売しているところもあります。機能性食品の正式デビューもそう遠くはなさそうです。

病気の予防をうたい、不老長寿への夢を広げる機能性食品。ですが、健康食品のはんらんの二の舞いとなる恐れや、機能性を気にするばかりに、食生活を無味乾燥にしかねません。注意が必要でしょう。



【機能性食品を機能別に分類した場合】

■アレルギーを軽減化する食品

<体の防御>

免疫を強化する食品

リンパ系刺激食品

高血圧を予防する食品

<病気の予防>

糖尿病を予防する食品

先天性代謝異常障害を防ぐ食品

抗腫瘍(しゅよう)食品

コレステロールを制御する食品

<病気の回復>

血小板が凝固するのを防ぐ食品

造血機能を調節する食品

中枢神経を調節する食品

<体調リズムの調節>

末梢(しょう)神経を調節する食品

摂取機能調節食品


<老化の防止>

過酸化脂質ができるのを抑える食品



■タウリン

◆動脈硬化防止の“善玉”ふやす◆

昔から「シジミは黄疸(おうだん)の薬」と言われています。貝類に多いタウリンというアミノ酸が肝臓の働きを活発にするからです。しかし最近、タウリンには、動脈硬化を引き起こす悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす一方で、逆に動脈硬化を防ぐ善玉コレステロールを増やすほか、血圧を正常に保ったり、血糖の上昇を抑えて糖尿病を防いだりする働きのあることもわかってきました。合成的に作られたものは、すでに、医薬品として使われています。

機能性食品としては、天然の食品から取り出したタウリンが使われることになりそうです。日本シャクリーが天然タウリンの栄養補給食品を発売していますが、これはびんに入った薬タイプ。日常的な食品の形に加工されるのはこれからです。

https://www.medical-j.com/gyoutoku/


■食物繊維

◆文明病を防ぐ第六の栄養素◆

大塚製薬が1988年に発売した栄養ドリンク「ファイブミニ」。「飲む繊維」ということで、大ヒットとなりましたが、この「繊維」こそ機能性食品の有力候補として注目されている「食物繊維」。

食物繊維とは人間の腸では消化されにくい物質の総称。糖がたくさんつながった多糖類が多いですが、たんぱく質や、「ファイブミニ」に入っているポリデキストロースのような化学合成物もあります。繊維は、米ヌカ、小麦ふすま、トウモロコシ、海藻などに多くあります。

食物繊維は、「食べ物のカス」などと言われ、見向きもされませんでした。しかし、1973年、イギリスの医学者が「食物繊維の多い食事をとっているアフリカ人には、大腸ガン、胆石、糖尿病、心臓病などの文明病がほとんどない」との調査結果を発表、脚光を浴びました。その後の研究で、食物繊維には(1)腸を刺激し、便通を良くする(2)金属イオンを吸着する(3)糖分やコレステロールの吸収を遅らせる(4)胆汁酸などの有害物を吸着する--という生理作用があり、「第6の栄養素」と呼ばれれます。

食物繊維の1日の必要量は20グラムから30グラムといいます。ところが、現在の日本人の食生活を見ると、白米、よく精製された小麦粉など繊維分がほとんど除かれたものを主食にし、海藻も少ないのです。繊維の多い食品が注目される理由です。

日本食品加工は、トウモロコシの種皮を精製し、繊維分85%以上の「コーン・ダイエタリーファイバー」を発売。

日本製粉では、小麦ふすまを微粉末にしたものを作っています。繊維の含有率は43%とやや低いですが、香ばしい新食品として期待されています。

http://gurume2ch.com/archives/35977590.html


■オリゴ糖

◆“ビフィズス支援”オリゴ糖◆

人間の腸の中には、100種類、100兆個もの様々な細菌が住みついています。乳児のうちは、ビフィズス菌などの有用菌が圧倒的に強いですが、老年期に入ると、有用菌が減り、有害菌が増加します。有害菌は、発ガン物質のニトロソアミン、発ガン促進物質の2次胆汁酸、人体に有害なアンモニア、アミン、インドールなどを作ります。

有用菌の働きは(1)有害菌が増えるのを防ぐ(2)ビフィズス菌が作る乳酸、酢酸が雑菌を殺したり、腸の運動を活発にしたりする(3)ビタミンB群をつくる--などです。つまり、有用菌が減れば、病気になりやすくなります。

ヤクルトは、生きたビフィズス菌を入れた飲料「ミルミル」を発売。子供用飲料だが、お年寄りが飲んでも効き目があるといいます。
腸の中に住んでいるビフィズス菌を増やす機能性物質には「オリゴ糖」があります。ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖といった簡単な構造の糖がいくつか結びついた「少糖類」で、製品化されているものには、明治製菓の「フラクトオリゴ糖」、カルピスの「大豆オリゴ糖」、ヤクルトの「ガラクトオリゴ糖」、昭和産業の「イソマルトオリゴ糖」があります。

いずれも、ビフィズス菌の栄養になる。50歳以上の人でも毎日必要量(3グラムから15グラム)を食べると、10日から2週間で子供並みにビフィズス菌が増えたという実験結果が出ている。また、砂糖と違って血糖値を上げないので、糖尿病の予防にもなります。

https://病院ランキング.com/


■CPP

◆カルシウムの吸収率アップ◆

日本人が不足しがちな栄養素の第1にあげられるのがカルシウム。だからと言って、小魚や牛乳、極端に言えばカルシウムの粉末をたくさん食べればそれでいいというわけでもありません。吸収率が問題です。栄養を吸収する小腸内は中性から弱アルカリ性で、カルシウムが沈殿しやすいのです。一度沈殿してしまえばそのまま体の外へ排出されてしまいます。

牛乳たんぱく質カゼインが、体内の酵素で分解されるとCPP(カゼインホスホペプチド)ができる。このCPPが、カルシウムの沈殿を防ぎ、吸収しやすくする機能があります。同時に、鉄分の吸収も助けます。鉄分不足で貧血気味の人、年をとってカルシウムの吸収力が落ちている人には、CPPを含む食品が有効のようです。明治乳業は、鉄分とCPPを配合した清涼飲料「ビオママFeドリンク」を発売しています。妊産婦向けの商品として開発されましたが、機能性食品の候補でもあります。


■ギムネマ酸

◆「早食い肥満」 抑制する効果◆

早食いは肥満と糖尿病の元といわれます。でんぷんや糖が分解され、吸収されると血糖値が上がり、脳を刺激して満腹感を覚えます。しかし、早食いは、血糖値が上がり切らないうちに胃袋にものを詰め込むので食べ過ぎになりやすいのです。すると、血糖値が急上昇し、それに合わせてスイ臓がフル回転してインシュリンを分泌しますが、長く続くと糖尿病にもなりやすくなります。

インド原産の野草、ギムネマ・シルベスタから抽出したギムネマ酸という物質は、舌に甘味を感じさせなくすると同時に、糖の吸収を遅らせる働きがああります。

つまりゆっくり食事をしたのと同じ状態をつくる効果があります。その結果、血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病を予防することになります。既に栄養補給食品「シャクリーギムネマ」を発売している日本シャクリーなど6社が、「ギムネマ研究会」を作って、商品化を進めています。

http://willcrestfoods.com/


■ビタミンE

◆発ガン性の脂質酸化防止◆

酸化した油(過酸化脂質)は、炎症や動脈硬化の原因になるばかりでなく、発ガン性の疑いもある有害物質です。ところが、年をとると、体の中でその量が増えてきます。

そこで、注目されているのが、脂質の酸化を防ぐビタミンE。トコフェロールともいい、穀物の胚芽(はいが)に多く含まれています。

味の素は、胚芽油を含んだ食用油を使うことを勧めています。油自体の酸化を防ぐ効果もあるからです。日本製粉では、ナッツのような歯ざわりの「小麦胚芽スナック」や、小麦胚芽そのものの粉末を発売しています。機能性食品としては、純粋なビタミンEを添加するより、胚芽を利用した食品の方が有望とされています。

http://gurume2ch.com/

http://peroton.net/vitamin.html


■EPA

◆中性脂肪低下 血栓症予防に◆

1970年代後半、グリーンランドのエスキモーに血栓症(血管が詰まって血液が流れなくなる病気)が少ないという調査結果が発表されました。エスキモーがたさん食べる魚の油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)が、血管内のコレステロールを溶かしてしまうことがわかりました。

EPAは青魚、特に日本近海のイワシに多くあります。日本水産はすでに、純度90%のEPAをつくり、血栓症の治療薬として実験中です。血栓症の引き金になる中性脂肪を低下させる効果もあるので、肥満解消にも役立つといいます。

ただ、食品に加工するには、強いにおいと、非常に酸化しやすいという欠点があります。日本水産は、においを取り除くなど食べやすくする研究を進めています。

http://marusei-ise.com/

■その他

◆特定の物質を除去して活躍◆

機能性物質には、酵母エキスに含まれるグルタチオン(過酸化脂質抑制効果)、エビやカニの甲羅を作っているキチン(血中コレステロールの調整効果)、分離大豆たんぱく(コレステロールを下げる効果)など、研究中のものがたくさんあります。

また、特定の物質を食品から除くことによって機能を発揮するものも機能性食品の1つに考えられています。

例えば、脳障害を引き起こす「フェニルケトン尿症」という赤ちゃんの病気は、必須(ひっす)アミノ酸の1つであるフェニルアラニンを分解する酵素が先天的にないことから起きる病気です。この治療用にフェニルアラニンの含有量を抑えた粉ミルクが作られています。

https://www.medical-j.com/

日付データ

プロフ更新日2019/11/20 11:41 プロフ作成日2019/11/20 11:41
API更新日2024/04/26 18:27 API更新予定2024/04/26 19:27