もっと自己紹介
【白いふたご】
《一章~黒猫~》(1/3)
[1]朝食
先も見えぬほど霧のかかった森の奥、大さな一本の木の中に2人はいた。真っ白い毛並みに短い尻尾、目の色以外見た目の違いはなかった。赤い目をした猫人の「リズ」、青い目をした猫人の「ライト」、2人は双子の白猫の猫人だ。
「お昼ご飯は何がいい?昨日取った魚なら余ってるけど」
ライトはリズに比べてとても賢くまるでお母さんかと言いたくなるぐらい料理上手の世話焼きだ。
朝起きればすぐに料理を作り始め、食後少ししたら森の掃除に小鳥達の勉強を見たり、まるでみんなのお姉さんのようだ。
魚の焼ける音と共に香ばしい匂いが香り始める。甘辛い匂いがするということは今日は醤油で焼いたんだろうか、美味しそうな匂いでさらに空腹になる。匂いは森の中へと香り始めるので森の動物達はいつもうちに集まる。優しい猪のイシにいつも騒がしい鳥のサチ、頼りがいのある熊のタクの3人も入れいつも5人でご飯を食べる。そんな毎日の始まりが凄く幸せだと感じる毎日である。