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デザイナーの垣田重樹です。
今回は加熱平版製版についてお話させて頂きます。
現在使用されている平版の材料は亜鉛かアルミ。
自家製版の場合は、版の表面に砂目をつけたのち、重クロム酸卵白(直か焼版)溶液、あるいは重クロム酸グルー(平凹版)溶液を塗布、ネガチブあるいはポジチブと密着、露光する。
現像後、金属の地肌を感脂化あるいは腐食後感脂化して版を完成する。
日本ではPS版Pre-sensitized plateの利用が圧倒的に多くなってきている。
砂目をつけたアルミ板上に感光性樹脂をのせた板がメーカーから供給される。
これにネガチブあるいはポジチブを焼付け、現像後感脂化する。
実際には製版用プロセサーに焼付後の版材を入れれば、製版を終えて排出される。
さらに進歩したプロセサーでは、原板(ネガチブやポジチブ)刷版を何枚か入れておけば自動的に交換して、つぎつぎと製版する。
平版の特長として、殖版が簡単にできること。
殖版(ショクハン)とは1枚の原版を大きな刷版に多数焼きっけて版をふやすことで、その機械を殖版機(コンポーザーstep and repeat machine)という。
ネガチブあるいはポジチブを取枠に入れ、版材をその後面におく。
版材表面は遮光幕で有害光線をさえぎる。
1枚分(1ページ分)を焼きつけ終れば天地あるいは左右に取枠が正確に動き、順次指定寸法だけ移動し版面の全部に焼きつけをする。
取枠の移動距離、焼きつけ時間、面数などあらかじめ設定でき、自動的に処理する。
これより一段と自動化の進んだものでは、原版と刷版を何枚か準備しておき、指示をあたえれば、順次自動的に殖版を行う装置がある。(垣田重樹)