もっと自己紹介
「 これから語るは 過去の物語 __ 」
永く生きた狐は やがて妖怪になると云う 。
その歳月が長ければ永い程 力が強く、美しいのだと
ある時 禁忌を犯した狐がいた 。
人の子に恋をしたのだ よくある話だ
そして生まれた子は 半妖 紛い物
寿命短い母は老い 妖の父は 娘置いて姿消す
ヒト からは化物だと蔑まれ
妖怪からは半端者だと除けられる
当てもなく 彷徨う娘は ある神社へと
堕ち神祀る 奇妙な場所へ 。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈••☽ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
娘は 其処で巫女として 過ごすだろう 。
堕ち神と鬼 ノ 巫女 住まう 其の場所で 。
何事も無く流れていた平和な日常は崩れ去る
「 神殺し 」
倒れた神の側に立つ 血濡れた 娘はそう呟いた 。
神を消せる者は ヒト だけだ 。
存在を忘れられた時 元から何も無かったかの
様に消えるだけ ..
" 殺せる " 筈が無いと 。
己に危機が降り掛かるなら 放っておく訳が無い
追手を出すだろう 。然し目覚めた娘を止める手は
無かった ... 一人 二人 神が消えて行く 。
『逃げる事が出来ないのなら 封じてしまおう
目覚める前の 只の娘に 戻してしまおう』
こうして娘は捕えられ"時戻し"を繰り返される
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈••☽ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
何十回目の時戻し 。出会うは青年 。導く者 。
此処で娘は救われるのか 。
魂に刻まれた使命から解放され、初めての
" 死 " を迎える 。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈••☽ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
転生、稀に魂は記憶を持って新たな生を受ける
とある赤子は 異能を持って生まれた
少し ヒト より力が強く、妖狐の姿に焔操る
普通とは掛け離れた 奇怪な少女 。
或場所では"先祖返り"とも 伝えられ
そんな少女が高校生になった頃
青年とすれ違う 時 見知らぬ筈なのに
懐かしいと 流す涙は 記憶の鍵 。
想い出すだろう 自分が何者 だったのか 。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈•• ❀ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
恋人、友人、家族。普通の少女としての 幸せな日々。
それも長くは続かない
運命には 変える事の出来ない《宿命》がある 。
神の悪戯か それとも他の ナニカ 仕業か __
家族 との外出時 。事故に合った一家
辛うじて生き残ったのは少女だけ 。
然し 目を覚ます事は無かったのだ ...
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈•• ❀ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
少女の意識が覚醒した時には違和感を感じていた
何故なら水面に写る姿は自分では無く
黒尾の狐であったからだ 。
事故の衝撃で 魂 だけが弾き出され
それが重なる偶然により 黒尾の妖狐へと落ちた 。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈•• ● ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
狐は快く 少女と身体を共有し、3年の時が過ぎた
その時というのは突然やって来る 。
何時も退屈な日々を変える日は 何の前触れも無く
血の気盛んな妖狐は手合せ中 拳を交える衝撃により
吹き飛ばされ 少女は身体から弾き出されたと思えば
瞬く間に 元の身体へと戻ったのだ 。
都合が良いのか悪いのか 。はたまた之も ナニカ の仕業か 。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈•• ● ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
目を覚ますと其所は病院。
次なる使命と共に 息を吹き返す 少女 。
魂に課せられる 運命 は変わらない 。
《九つある宝の内一つの守り主
番人となり、"導き手" と "魔術師"の再来を待て》
頭に響く声は 告げる 。
新たな 使命 と 共に 老いぬ 身体に嘆く守り人
されど諦める事はなく 宝を探して旅に出た 。
持つは ◊ 剣 ◊ 冠 ◊ 指輪 ◊ 杖 ...
其れ等の用途とは 一体 ___
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈•• ❀ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
四つの宝を携え旅する 少女 。
何処か見覚えのある街へと辿り着く
古の記憶を頼りに神社へ足を踏み入れた。
『 __ ああ 、待っていたよ 。』
不意にそんな声が響いた。次には 大きな時計 と 歯車 と 一人の少年 ... ?
新たな敵か 。それとも味方か 。
身構える少女に対して隙だらけの少年 。
『 君は資格を得た 。でもまだ 、全然集まってないみたい 。仕方ないから 半分だけ 。... 今は 、まだ 』
訳が分からない 。何故私が 一体何の資格を .. 私は "普通" でありたいだけなのに そう切に願う少女の意志に関わらず 運命は動き続ける 。
宝は願いを叶える願望器 。
一つで街を 、二つで国を 、三つで世界を ... 九つで理を 。
人外になど 、なりたくないのに ___
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈•• ❀ ••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
気が付けば少年の姿は消えていた 。
残っているのは桜が舞い踊る情景と小さな小屋だけ
それから 、己が半分神になってしまったという事実
半妖 、半人 、半神 。どれも中途半端で 不完全だな 、などと呑気に考えながら 半ば諦めつつある 狐の娘 ...
「 ... さて、過去の語らいは此処迄 。」
『 その後少女は どう過ごしたかって ? それは _ 』
[ 之からの物語 ]