︎ボヤッキー
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ユーザー名:@Il_mare_mia
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updated: 2026-06-25 12:29:45
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ミラン・ケストレル🦋⏳
彼は魔法使いだ。大好きなお師匠様に弟子入りして、宮廷魔術師となる道を選ばなかった変わり者だ。大好きなお師匠様はおそらく彼のお父様だろう。お父様は、彼に魔法の料理の知識を授けてくれた。彼はお父様が料理をしている姿を眺めるのが大好きだった。魔法でつくる愛情のこもった料理は、食べることが大好きな彼をいつも笑顔にしてくれた。ほかにも、お師匠様は魔道具を手作りしていた。魔獣の皮でつくる道具類はとても手に馴染み、丈夫で長い旅路に経つ旅人たちに好まれた。彼の母は、踊り子をしていた。すらりと長身で痩せており、長い黒髪が美しく凛とした女性だ。彼はその黒く輝く艶やかなロングヘアーの美しい母が自慢であった。しかし、母は彼の生みの親ではない。彼の妹は母の実の子だが、彼とは血が繋がっていなかった。彼がそのことを知ったのは何時だっただろうか。その時彼はどう思っただろうか。だが、彼はその事で家族に距離を感じたことはない。正確には、家族には気にする素振りを見せなかったというのが正しいだろう。いつだって主人公の生い立ちはドラマティックだ。かくいう私も… そんな事はどうでもいい。
彼には「魔」の才覚があった。「魔法」はどうやったら使えると思う?言うまでもないが、魔力のある者が、頭の中のイメージを再現して魔法となり発動する。詠唱が必要ではないのかと言う者もいるだろう。それは、魔法書で習うカッチカチの手法だ。詠唱魔法は強力であることは間違えないが、実践で命をかけた戦いでは、より自由でトリッキーな魔法を即座に繰り出さなくては死に繋がる。強い魔法使いとは つまりのことろ、己の思想を強くイメージでき、尚且つ、そのイメージは単純で素早く純粋で、それを叶えたいという願望が貪欲であるべきなのだ。彼は正にそういう魔法使いだった。お師匠様の父が教えた魔法は幼い頃に いとも簡単に習得してしまった。だが成長した彼は、戦いのための魔法ではなく、亜空間魔法に魅せられるようになった。空間をねじ曲げたり、切り取ったり、ズラしたり…そのうち彼は空間だけでは飽き足らず、時空魔法にも興味を持った。どれだけ長い年月が経過しただろう。彼を知る者たちは彼を「時魔法使い」と呼ぶ。
彼は、実に自由奔放というか、純粋というか、神や天使のように無垢で残酷だった。それ故に、人の気持ちなどという小さく煩わしいものは存在すら認識していなかっただろう。
そんな彼の興味の趣くものは「魔」だけでは留まらず、人間の世界の文化や道具にまでお及んだ。兎角、音を伝える機材類、この時代ではガジェットと呼ばれるものを大変好んだ。彼はガジェット類を彼の工房へいくつも持ち込み愛でた。もしかしたらガジェットへ何らかの魔法を仕込んだかもしれない。彼ならやり兼ねない。そして、その機材を駆使して行う「配信」という文化にも異常なほどのめり込んだ。ついには、彼自ら「配信者」として活動をするまでになった。彼は配信者活動をしているとき、とても気分がよかった。毎日が解けるように楽しいといっていた。だが、彼は「時魔法使い」だ。彼にとって私たち人間の時間などは、一陣の風であり、私たちがいくら彼を一生かけて推したとしても、彼には私たちの顔すら見えないほどの刹那でしかない。彼と私は時の流れの中でほんの一瞬だけ接したに過ぎないのだから。
彼の記憶に私が残ることはない。だから私も彼を人として愛することはない。
そんな彼だが、なんとある日弟子をとりたいと言ってきた。人間の世に当てられたのか?それともこの立派な発言すら彼の戯れなのだろうか。人ではない彼の真意は、私たち人間の常識では計り知れない。間に受けずに放っておいたら、本当に弟子を探してきた。それから彼は自らを「時魔道士」と名乗るようになった。
彼について知っていることは以上だ。
何百年、将又何千年も続く彼の物語を語り継ぐ役割りが必要だろう。しばらくは私が任されることは吝かではないが、私は人間ゆえ、彼に葬送される立場であることは間違えない。
だが、私はあの方にこの世のシナリオを紡ぐお許しをいただいた稀な人間だ。そして天界の血族である彼を監視する役割としてもあの方の一瞥をいただいた。この役目を命をかけて全うしなくてはならない。
2026年4月14日
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