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忍者 ─── 、其の単語は、誰しもが耳にした事が有るだろう。
飛鳥時代から江戸時代に掛け、大名や領主に仕える者も居れば、
独立をし、諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺などを仕事とした個人者、或いは団体も居る。
かの有名な服部半蔵、風魔小太郎 ─── 、そして くノ一。
現代の日本でも、其の名を輝かせている其れ等多くの忍者族。
然し、彼等の様な忍者族は、もう既に廃れた ────── 、と 思われていた。
が 、
すっかり、飛鳥時代や戦国時代とはかけ離れた世界と成った日本と云う國に、一つの忍者一族が生息していたのだ。
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〝 叉玖羅族 〟。
戦国時代、暗殺部隊として活動をしていた忍者一族で有る。
叉玖羅暗殺部隊、初代 : 叉玖羅諌三 の 名の下に動きを見せていた。
正体を暴かれる事も無く、暗殺を繰り広げ。
何の著名武将にも、其の姿と真相は、暴かれる事は無かった。
其の暗殺能力は並外れた物で有り、叉玖羅暗殺部隊と云う忍者一族を過去から発見した現代日本の学者はこう語る。
『 ─── 武田信玄は急病、及び急死とされているが……其の息の根を止めたのは、叉玖羅暗殺部隊なのではないか 』と。
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暗闇で包まれた夜に、唯一人。
少女は、居た。
漆黒の纏め髪を風に揺らし、太く生えている木の枝に立ち、街を見下ろしている其の姿。
一つ、息を吐き。片脚で、枝を勢い良く踏み付け、跳躍を。
くるり、と一回転をし、着地をした所で、ちらりと。
彼女の口許を隠す布に、〝 あの 〟文字が煌めいた。
────── 叉玖羅一族 。